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【測量の日特集】測量士試験合格者インタビュー/(一社)長崎県測量設計コンサルタンツ協会

2026年06月03日(水)

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左から㈲吉川土木コンサルタントの橋口尊さん、西山真由さん、扇精光コンサルタンツ㈱の久保田聖也さん

 6月3日の「測量の日」に伴い、(一社)長崎県測量設計コンサルタンツ協会の測量士試験合格者にインタビュー。㈲吉川土木コンサルタントの橋口尊さん(25年度合格)と西山真由さん(24年度合格)、扇精光コンサルタンツ㈱の久保田聖也さん(25年度合格)の若手技術者3人が、資格取得のきっかけからの道のりまで、そして仕事への思いなどついて語った。


 それぞれが決めた道


 「管理技術者を務めるにあたって測量士は必要になる」―。県立大村工業高校建設工業科を卒業後、㈲吉川土木コンサルタントに入社した橋口さん。在学当時、同協会が毎年実施する出前授業を受講し、会員技術者と測量の魅力に触れ業界を志した。入社8年目、経験を積み重ねる中で「いずれ取らなければいけない。大学を出ていれば20代前半で取得する人もいる」と、日々測量士を意識していたという。

 一方、県立長崎商業高校から接客業を経て、未経験で業界に飛び込んだ西山さん。道路や構造物づくりの“最初の工程”を担う重要な役割を知り、「そこにすごくやりがいを感じた」と、新たな業界へ踏み出した当時を語った。そこから5年、多くの社員が積極的に資格取得へ挑戦する姿を目にし、自身も成長すべく測量士を目指した。

 扇精光コンサルタンツ㈱の久保田さんは、県立諫早農業高校農業土木科の出身。同校同科においては公務員を目指す生徒も多い中、「測量に携わる方が楽しい」という思いから地域の守り手に。また、同社の会社見学を通して、将来像を明確にできたことも進路決定の大きな一手となった。測量士試験には入社2年目で挑戦。10代での測量士取得という同社最年少記録にも意欲を燃やした。


 難関突破を目指して


 測量士試験は、例年合格率が10%前後という難関。橋口さんは「計算問題が多く数学から勉強し直した」と話す。多忙な仕事の中でも毎日2~3時間を確保し、過去問題集を中心に取り組んだ。橋口さんの原動力となったのが西山さんの存在。「未経験で入社してストレート合格した。その姿を見てさらに熱が入った」と振り返る。

そんな西山さんも、計算問題に苦労した一人。「問題集の解説を見ても計算過程が分からないことも多く、動画配信サイトで解説を繰り返し見ながら理解を深めた」と話し、「モチベーションが下がることもあったが、難しいからこそ挑戦する意味があると思い諦めなかった」と難関突破への思いを語った。

 入社間もない久保田さんも、仕事と勉強の両立に苦労したことを挙げ、「特に1月から3月は繁忙期で、勉強時間の確保が難しかった」と話す。一方で、「最年少で合格したら名を刻める」と先輩や上司から声を掛けられたことが大きな励みになったとし、周囲の支えへの感謝を口にした。


 成長の実感を持って次のステージへ


 合格後、橋口さんは管理技術者を経験。「工程管理など、これまでの経験を通して今まで以上に様々なことが見えてきた」と手応えを述べ、「精度確保や提案力がまだ十分ではない。これからも管理技術者として経験を積んでいきたい」と前を向く。次は補償業務管理士、または、RCCMの取得を目標に掲げている。

 西山さんは「合格が確かな自信と根拠を持った考え方につながった」とし、発注者への検査説明を挙げ「『説明が分かりやすかった』と言っていただけたことが凄く嬉しかった」と笑顔を見せた。「今後は主担当として、みんなを引っ張っていけるよう理解を深めていきたい」と語る。

 扇精光コンサルタンツ㈱では、久保田さんの実績が周囲に良い刺激を与えている。「今年は同じ諫農卒の後輩達が挑戦した。給与アップにもつながるので、自分の姿が目標になってくれたら嬉しい」と話し、「まだ3年目で主任や管理技術者を経験していないが、スタジアムシティのような長崎が誇る場所に関わる仕事を通して、人口減少する長崎の基盤を支えていきたい」と力を込めた。

 

若手が望む業界の未来

 日々の業務はもちろん、災害発生時への対応や老朽化する社会インフラの維持管理など、建設業と並んでその多岐にわたる役割から『地域の守り手』と称される測量設計コンサルタント業。一方で、県内においては技術者の高齢化や若年入職者の不足、人材育成などが喫緊の課題となっている。本インタビューでは、成長し続ける3人に業界の未来についても尋ねてみた。

 人材確保について「高校生への出前授業などに積極的に参加したい」と話す橋口さんは、自身がそうであったように「魅力を発信して3Kと言われるイメージを変えていきたい。IT活用がもっと進めば、きつい部分も軽減されると思う。なりたい職業ランキングでトップ10くらいに入るような職種になれば」と抱負を語った。

 西山さんは、未経験者ならびに女性技術者の立場から業界を見つめた。「最初は女性にできることは少ないのではないかと思っていたが、実際には主に現場と内業がチームとなって業務を進めることが多いため、女性だからこそ輝けるところがある。女性が活躍する現場や姿をもっと発信していきたい」と話し、自身の経験を基に、尊重し支え合うチームと職場環境の魅力を示した。

 久保田さんは、会社の年齢構成から見る業界の技術者層について言及。「30代・40代の中間層が少ない」と指摘し、「50代のベテランの方々が抜けた時に、ちゃんとやっていけるかという不安がある。若手をしっかり集め育てて層を厚くしていくことが大事」と語った。同社は近年、新卒採用を続けており「自分もリクルートに立ち会う機会があれば、測量業界をしっかりアピールしたい」と意気込みを述べた。


 重要性・達成感伝えていく


 課題への考えを示した3人は、業界の魅力をこう語る。AIやデジタル技術が進展する中、橋口さんは「測量は絶対になくならない仕事」と強調。「長崎ならではの豊かな自然を季節ごとに感じられ、地域の方々が飲み物や差し入れを持ってきてくれることも多く、人の優しさに触れられる仕事」と話し、西山さんが「何事にも最初の工程を担う重要な役割」と続けた。

 久保田さんは、「精度内にしっかり収まった時や高評価をいただいた時の達成感」を魅力に挙げ、さらに、地元住民からの「ありがとう」の言葉を受けた経験から、「長崎のより良い暮らしの力になれたと実感することができた」とし、誇りにつながる仕事だと語った。

 新たな測量士3人の輝く瞳と言葉からは、地域インフラを支える仕事への誇りと、業界をより良くしていきたいという情熱が伝わってきた。 


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