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【インタビュー】長崎労働基準監督署・本田邦浩署長に聞く 死亡災害・熱中症等への認識あらためて/きょうから全国安全週間

2026年07月01日(水)

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長崎労働基準監督署・本田邦浩署長

 きょう1日から第99回全国安全週間が始まる。今年のスローガンは「多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場」―。人手不足や高齢化が進む中、建設業に求められる安全対策は何か。長崎労働基準監督署管内の労働災害・熱中症発生状況から紐解くため、今年4月に着任した本田邦浩署長に話を聞いた。


 今年度の行政運営方針について。


 基本的な方向性は2025年度から大きく変わっていません。長崎県内の有効求人倍率は1倍超えが続き経済活動も一定程度維持しています。


 しかし、求人倍率も少しずつ低下傾向にあり、楽観視できる状況ではありません。多くの業種で人手不足が深刻化しており、労働局は職業安定部門を中心に外国人材や高齢者の活用、職業訓練による人材育成・マッチング支援などに取り組んでいます。


 また、昨年度に最低賃金が1031円へ引き上げられたことから、今後も物価上昇に見合った賃金改善が進むよう、賃金水準の情報提供・周知活動に努めていきます。


管内の建設業における労働災害発生状況は。


 25年の当署管内における建設業の休業4日以上の死傷災害は67件(全体比10・4%)でした。24年と比べ12件(15・2%)減少しています。過去5年間で最も少ない数値であり、事業者の皆さまによる安全活動の成果が表れていると思います。


 一方で、死亡災害は3件で、前年1件から増加しています。過去5年間を見ても最も多い数であり、非常に重く受け止めています。災害件数全体は減少しているものの、ひとたび重大災害が発生すれば尊い命が失われます。死亡災害をなくす取組をさらに強化していかなければなりません。


特に注意すべき災害・型別は。


 最も注意すべき事項が墜落・転落災害です。


 昨年は29件で建設業災害全体の約43%を占めました。29件を起因別にみると、足場・屋根など仮設設備が23・9%、はしご等が22・4%となっています。墜落・転落災害は、重篤化や死亡災害につながるケースも少なくありません。


 そのため、当署としても現場パトロールの際には重点を置いた指導を継続したいと考えています。


スローガンの「多様な人材」について。


 建設業でも外国人材や高齢者が活躍し、多様な人材が安全安心して働ける環境づくりが不可欠です。外国人材については、言葉や文化の違いにより安全ルールが十分伝わらない場合があるため、多言語マニュアルの整備や丁寧なコミュニケーションが有効です。


 高齢者については、転倒・墜落のけがが重症化しやすく、休業期間も長くなる傾向があり、年齢や身体能力に応じた作業配置・環境整備が求められています。今年2月には、労働安全衛生法および作業環境測定法の一部改正により、高齢者の労働災害防止に向けたエイジフレンドリー指針が策定されました。4月には、高年齢労働者の特性に配慮した環境改善や管理が事業主の努力義務となったことから、本指針をご活用いただきたいです。


熱中症については。


 近年、最も警戒する災害の一つです。


 25年、全国で発生した職場での熱中症は1803件で、24年から500件以上増加しました。県内の熱中症による休業4日以上災害は23件で、建設業が最も多く全体の22%を占めました。管内では、1件の死亡災害が発生し憂慮すべき状況と判断、熱中症に対して〝身近で危険な存在〟と認識をあらためて防止対策に取り組んで参ります。


 建設業においても、休憩所の設置等の対策が進んでいますが、今後さらに重要になるのが早期発見と迅速な対応です。昨年6月1日の労働安全規則改正により、職場における熱中症対策の強化が施行されました。連絡体制・対応手順等の関係労働者への周知が最も重要なため、厚生労働省が提唱する「STOP 熱中症クールワークキャンペーン」を参考にしっかり体制を整えていただきたいです。


最後に建設業界へメッセージを。


 建設業は地域の社会基盤を支える重要な産業。安全で健康に働ける職場づくりを進めながら、死亡災害ゼロの実現を目指していただきたいです。仕事を終えて無事に帰ることが何よりも大切です。




【プロフィール】本田邦浩(ほんだ・くにひろ)
1967年、長崎市生まれ。1993年に労働基準監督官として旧労働省に入省。初任地の山口労働局をはじめ、鹿児島局や福岡局での勤めを経て、2003年に長崎労働局で勤務。同局地方労働基準監察監督官、総務企画官を歴任し、今年4月から現職。




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